ステキな出会いに感謝

トヨタの森インタープリター 川田奈穂子

2019.07月 カトウツケオグモ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 葉っぱの上に鳥の糞がベチョッと付いているように見せかけて、実はカトウツケオグモというクモでした。そんな擬態には私の目は騙されないぞ!あっはっは。と勝利宣言はしませんでしたが、この珍グモを見つけた時はなかなかの快感でした。
 茶色に白の配色といい、絶妙なテカり具合といい糞そっくり。でも左右対称なところが生き物感を醸し出してるんだな。私はこれで気付いたもんね。すぐ近くに、カトウさんが食べたと思われるハエが残されていました。もしかして糞と思って近寄ったところを襲われたのかしら?
 二カ月に渡って同じ木に居座り続けてくれたカトウさん。元気?と声をかけに行くと、ある日は前脚を二本ずつそろえて挙げていたり、またある日は挙げた二本をやる気満々にガバッと開いていたりと、いろんなポーズを見せてくれました。
 大きさからメスとわかっていたので(オスは極小)卵を産むんじゃないかと期待しましたが、残念ながら卵は見られないまま姿を消してしまいました。多くのクモは風に身を任せて移動するため、お相手と巡り会えるかどうかも風任せ。今回はオスが来てくれなかったのかしら。その辛い気持ち、わかるわぁ。

2019.06月 サラサヤンマ

4面・ステキな出会い・サラサヤンマ写真.jpg 周りを木に囲まれ、木陰が多い湿地をせわしなく飛び回る中型のトンボがいたら、それはサラサヤンマかもしれません。
 サラサは更紗と書き、インド発祥の染め物のことです。その更紗に使われることがある幾何学模様のように、黄色い点が背中に並んでいるのが名前の由来。規則正しく並んだ模様がステキなんです。でも人間が更紗を作り出すずっと前からこの模様が体についていたはずなのに…名前の付け方が逆だよ!
 サラサヤンマの特徴は模様だけではありません。ヤンマといえばギンヤンマのようにとまることなく飛び続けるイメージがありますが、なんとサラサヤンマはよくとまるんです。しかもすぐ目の前に。飛んでいても、高度を下げてきたなと思ったら、草にペタッ。カッコ良くホバリングしてくれてるなと思ったら木にペタッ。いやいや、そのホバってるところを撮りたいんで、飛んでくれますかと何度お願いしたことか。
 人懐こい性格で、足元まで来て(アンタは犬か?)驚いたことに足にとまったこともあります。カメラのストラップにとまられた人もいたっけ。こんな出来事も、トンボ好きには光栄の極みなんでございます。

2019.05月 アカシジミ 

4面・ステキな出会い・写真.jpg 木の葉が大きくなり、新緑の季節もそろそろ終わりだな…と木を見上げた瞬間、目の前の葉にくっついている小さな雫型の物体が視界に飛び込んできました。

 形からするとシジミチョウの仲間のさなぎ。羽化間近らしく鮮やかな色が透けて見え、翅の部分は赤っぽい色をしています。この木がコナラであることや、さなぎの大きさや色、そして時期から、正体はアカシジミではと推測したものの、答えは殻の中。これは何が何でも羽化したところを見て答えを知りたい!

 とは言うものの、ずっと見張っているわけにもいかず、別事をしながら時々チェック。まだかなと思っているうちに夕方になってしまいました。このまま明日に持ちこしか…。枝を切って持ち帰る方法も頭に浮かんだものの、持ち帰りに失敗して羽化できなかったら後悔するのでやめました。

 そして日没タイムアップ!かと思いきや、夜七時ごろにライトで照らしてみてビックリ! 見事に羽化したアカシジミがさなぎの殻につかまっていました。答えがわかってスッキリ〜。

 え? そもそも何でそんな時間に見たのかって? 夜遊びで池にカエルなど見に行く途中だったもので…。

2019.04月 チゴユリ

4面・ステキな出会い・写真チゴユリ.jpg あなたはどうだったろう。子どものころ自然や動物や友達と、思いっきり遊んだだろうか?

 子どもの頃の自然体験や友だちとの遊び、地域活動等の体験が豊富な人ほど、「経験していないことには何でもチャレンジしてみたい」といった意欲・関心や、「電車やバスに乗ったときお年寄りや身体の不自由な人には席をゆずろうと思う」といった規範意識、「友だちに相談されることがよくある」といった人間関係能力が高い。これは国立青少年教育振興機構が調査(平成22年)した結果である。

 「沈黙の春」で有名な海洋学者レイチェル・カーソンは言っている。

 「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

 この春休み、豊田市の農山村を舞台にセカンドスクールが各所で開催された。そのうちの一つ「山っ子くらぶ」には36人の子ども達が山に囲まれた旧・築羽小学校(つくラッセル)にやってきた。30人近くの田舎の母ちゃん、父ちゃん、若者、娘さん、幼児、赤ちゃんに犬までが出迎えた。

 賑やかだが自主性尊重の2泊3日。ヤブカンゾウ・ユキノシタ・ヨモギなどを摘んで天ぷらどんぶり。にわとりの「命をいただきます」実習。もちろん食べた。夜空を見上げて星の観察。山に行って森に入り間伐、その木で工作。テントで寝袋にくるまって朝まですごす。寒い! 2日目の夜はお楽しみ会、手作りの劇やクイズやゲームで大盛り上がり。夜の肝試し。山登り、もちつき体験、ワンコと走る、ドッチボールにトランプに、思いっきり遊ぶ。心も体も十分に耕したにちがいない。

2019.03月 ヤニサシガメの幼虫

4面・ステキな出会い・写真.JPG 啓蟄(けいちつ)は二十四節気の一つで、三月五日ごろから春分の日までにあたり「冬籠りしていた虫たちが動き始めるころ」です。ちょうど私たち人間も、本格的な春を感じられるようになってきます。

 そんな啓蟄らしく、ポカポカ陽気に誘われた一匹のアシナガバチが飛んできて、近くにとまりました。のんびり気持ちよさそうに日向ぼっこする姿は、刺されるとキケンということを忘れてしまうくらい穏やかです。しかし、この直後に思わぬ事態が起こったのです。

 ハチの背後から音もなく忍び寄る黒い影。同じく越冬から目覚めたヤニサシガメの幼虫です。一歩また一歩と近づいていきますが、ハチに気付かれたら食べられちゃわないかとドキドキ。気付け
ばもうハチは目の前。と、ここで、なんとサシガメが針のような口をハチのお尻にプスリ!いくらサシガメが虫を襲う生き物とはいえ、自分より何倍も大きい、しかもハチを刺しますか!そしてハチも大人しく刺されますか?

 本格的に深くは刺さなかったようですが、どちらも寝ぼけていたとしか思えません。「春眠暁を覚えず」と言いますが…私たちも寝ぼけて妙なことをやらかさないようにしなくちゃ。

2019.02月 ヤマドリ

4面・ステキな出会い・写真.jpg  二月の下旬頃は、春はもう目の前まで来ているけど、あともう一息という季節。まだ生き物の気配もほとんどない静かな林の小道を歩いていると、少し先に何やら大きいものが現れました。大きいというより長い? 堂々と歩いていくのは、まさかのヤマドリ! そしてまさかの横断!

 嘴から尾の先まではっきりくっきり目の当たりにして、その尾の長さに感動しました。全身の長さの半分ですよ。即座に「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の…」という歌が頭の中を流れました。百人一首のあの歌です。正しく「長々し」!

 しゃなりしゃなりと林の中を歩いていくヤマドリ。聞こえるのは落ち葉を踏む音だけです。おもむろに立ち止まり長い尾をフワッと挙げて見事なホロ打ちをご披露。ドドッドドッと大きな羽音が響き、あまりの風に落ち葉が吹き飛びます。そして直後のドヤ顔。出血大サービスですな。

 茂みを抜け倒木を乗り越え、連れられること二十分。峠を越えていく姿を見送り、我に返ると、はてここはどこ?

 見覚えのある倒木などを頼りに来た方向へ下りなんとか戻れました。贅沢な時間と引き換えに、危うく遭難なんてことになるところでした。

2019.01月 キクイタダキ

4面・キクイタダキ.jpg  一月はお正月、成人式と女性の着物姿を目にする機会が増えますね。髪には素敵な飾りが揺れています。「着物って歩きにくそう」などと風情のないことを考える私には無縁の話ですが。

 それはさて置き、キクイタダキという小鳥の頭のてっぺんには黄色い飾りがあります。「菊」の花に見立てた黄色い羽を「戴いて」いるところからこの名前が付いたくらいの特徴。お花が頭に咲いてる「おめでたいヤツ」ではありません。

 キクイタダキは平地ではあまり見かけない鳥ですが、年によってはあちこちで見られることもあります。ある年の年明けに住宅街の公園で、シジュウカラやエナガの群れに混じる小さな鳥を見つけました。エナガより小さい鳥なんて、もしやキクイタダキ? と思ったら大当たり。ご祝儀をいただいた気分です。枝の間をちょこまか動き回り、時には枝にぶら下がりながら食べ物を探しています。何せ小さい上にすばしっこいので、カメラで追うのは至難の業。ご祝儀にはかなり翻弄されましたが、幸先の良い一年のスタートでした。

 ここから一年幸運が続いたのか、はたまたこれで運を使い果たしたのかは、ご想像にお任せいたします。

2018.12月 クヌギカメムシ

4面・ステキな出会い・写真.jpg コナラの樹皮の隙間に小さな緑色のヒスイのような粒がずらりと並んで、あらキレイ! 正体は、クヌギカメムシの卵。なかには大切な命が詰まっています。

 樹皮の隙間にはまり込むようにして、一匹のカメムシが卵を産んでいるところに出会いました。今まさにお腹から出てきたばかりの卵はほんのりピンク色をしています。卵は時間が経つと色が変わるようです。これまで卵は見たことがありましたが、産んでいるシーンは初めて見ました。本当にクヌギカメムシの卵だったんだ…なんて、カメムシが聞いたら怒りそう。

 卵が孵化するのは三月ごろ。「まだ寒い時に孵化しても食べ物がないじゃん!」と幼虫が困らないような秘策があります。それは卵を守るように全体に塗られているツヤツヤのゼリー。これが何と幼虫の食べ物にもなっているんですって。生まれたばかりの幼虫は、しばらくゼリーを食べることで、寒くてもきょうだいそろってスクスクと成長できます。

 残念ながらカメムシはあまり好かれない、むしろ嫌われものと言っても過言ではありません。でも生きる工夫と母の愛情はとても深いものなのです。

2018.11月 カケス

4面・ステキな出会い・写真.jpg 冬支度、みなさんはどんなことをしますか。こたつやストーブを出してくる? 車のタイヤを替える? 食べ物に困ることのない今の時代、冬支度で食べ物を蓄えるなんてほとんどしないかも。皮下脂肪が蓄えられることはあっても…。

 でも自然界では、そんな悠長なことを言ってられません。カラスの仲間のカケスは、秋になると山から下りてきて標高の低いところでひと冬を過ごします。そして冬支度で食べ物を土の中に埋める習性があることでも有名です。

 ある日、秋晴れの上空を数羽のカケスが横切り林の中に入っていきました。しばらくすると、そこから飛んで出てきて再び上空を横切り、元いた林へ。何度も行ったり来たりしていたので、これはシャッターチャンス!と飛んでいる姿を撮ったところ、お口にドングリをくわえていることが判明!のどもドングリでパンパン。そこにはいくつ入っているのかな。どうやら、ドングリを運び冬支度をしている真っ最中だったようです。

 カケスが埋めたまま食べなかったドングリは、芽を出し成長して、再びカケスの食べ物を実らせます。この見事な連係プレーは、過去から未来への連係でもあります。

2018.10月 ハイイロセダカクモメ

4面・ステキな出会い・写真.jpg ハイイロセダカモクメ…聞いただけでは何の生き物だか全くわかりません。いや、生き物かどうかすらわからない。モクメって木目のこと?
 これでもれっきとしたガの名前なんです。ガといっても幼虫の方が有名。小学校の教科書に出てくるくらいですから。
 この幼虫はヨモギの花を食べて育つため、ヨモギの花が咲く秋に現れます。体の色や模様がヨモギの花そっくり。見事としか言いようがない溶け込み様で、花に堂々と乗っていてもまず気付きません。そのため教科書にも擬態している生き物として取り上げられていますが、よくもこんなマイナーな生き物を選んだなと驚きました。
 私が見つけた時も「ヨモギの花が咲いてる」と思い、一度は視線を外したものの、一か所だけ何か違う…と感じて思わず二度見したのです。すると、やっぱり大当たり!立派なハイイロセダカモクメの幼虫が花をムシャムシャと食べていました。
どこまでが花でどこまでが体かわからないくらいのこだわりの色使いに、ただただ感心。果たしてこの擬態っぷりでどれだけ鳥に食べられにくくなっているのか知りたいものです。でも私にバレてるようじゃ、まだまだですな。ご購読はコチラ.pdf

2018.9月 カネタタキ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 虫たちのシーズン。チンチンチンと鐘をたたくような軽快な音が聞こえるようになったら、カネタタキがやる気を出し始めた証拠です。

 カネタタキの音はよく響きますが、体は一cmほど。よくもまぁこの体でこの音量を出せるなと感心します。オスの背中にはエプロンのように見える短いハネがあり、ここで音を出してメスにラブコールを送ります。

 ある時、お茶の木に付いていた実から細長い物がピロンと出ているのが気になって、中をのぞいてみました。するとそこには、カネタタキが入り込んでいました。別の実にはなんとオスとメスの二匹。実の中だとよく響いてモテるとか?メス同士という女子会中の実もありました。いずれにせよ気に入って中に入っているようです。これぞ〝茶の実〟友達?

 自宅で大音量のカネタタキの歌が聞こえてきた時がありました。キンキンと頭に響くくらいで、さすがに見過ごすわけにはいきません。近寄っていくと、いつのまに入ったのか部屋の中で絶賛演奏中の一匹を発見。そりゃうるさい訳だ。睡眠の障害になるので丁重にご退室いただきました。愛は叫ぶんじゃなく、ささやくくらいが丁度いいと思いますよ。ご購読はコチラ.pdf

2018.8月 チャミノガのミノムシ

4面・ステキな出会い・写真.jpgミノムシは誰もが知っているあの虫です。木の葉でできたミノをまとい枝にぶら下がっている、地味だけど有名な虫の正体は…ミノガというガの幼虫です。ミノガにもいろんな種類があって、種類ごとにミノの材料や形が違います。

 お茶の木で見つけたミノムシのミノは、小枝ばかりを使ったシンプルなものでした。チャミノガという種類のようです。ただぶら下がっていたのではなく、ミノのてっぺんから頭を出して葉っぱを食べていました。小さな脚も出して葉っぱをつかみムシャムシャ。

 細い枝先で枝をかじっているものもいました。枝を脚でしっかりつかみ、枝の周りをぐるっと輪を描くようにかじって、最終的には切り取りました。結構口が強力のようです。この間、ミノは残るほうの枝に糸でくっつけてあるところはさすが。切り取るほうの枝にくっつけちゃうドジは…いないか。

 この枝をどうするのかと思ったら、なんと自分のミノにぺたっ。増築用だったのね。ひと段落つくとミノにすっぽり入り込み、一瞬で出口を巾着のようにキュッと閉じました。一体どんな仕掛けがあるの? 小さなミノには幼虫だけでなく技も詰まっているんですね。ご購読はコチラ.pdf

2018.7月 ヤブヤンマ

4面・ステキな出会い・写真.jpg  夏の熱い昼下がりは、お昼寝して過ごすに限ります。風の通る涼しい日陰で、セミの声をBGMにうとうと…と、お休みしたくなるのは人間だけではありません。なんと、トンボたちもお昼寝好きなんです。特に体の大きなヤンマたちは体力の消耗を少しでも減らすためなのか、正午前後は林の中の木にぶら下がって休憩する習性があります。

 朝からかんかん照りだった日のお昼、木陰を歩いていると道のすぐ横の木に青いものがぶら下がっていました。こ、これはヤブヤンマ!しかも普段なかなかお目にかかれないオス!よりによってカメラを持っていなかったので、そーっと後ずさりしてカメラを取りに行き、急いで戻りました。しかし、案の定お昼寝中のヤブヤンマは相変わらずブラーン。爆睡中のため、じわじわ寄って目の前まで来ても動かない…。さすがに指先でそっと触れると飛びましたが、近くに再びとまってブラーン。おかげでコバルトブルーの輝く目を堪能させていただくことができましたが、こんな無防備でいいのかしら?

 スペインのシエスタをいち早く取り入れている(?)トンボを見習って、午後はのんびりお昼寝タイムと洒落込みたいですね。ご購読はコチラ.pdf

2018.6月 エサキモンキツノカメムシ

4面・ステキな出会い・写真.jpg カメムシは好印象とは程遠いイメージを持たれることが多い昆虫。でも、エサキモンキツノカメムシは愛されキャラのカメムシです。長い名前…。

 かわいいポイントその一、背中の紋の形がハート型をしている! ポイントその二、お母さんが子育てをする! 卵や孵化したばかりの幼虫をお母さんが外敵からがっちりガードします。ハートを背負っているだけではなく愛情深いと聞いたら誰もが「まぁ、かわいい」と思うこと間違いなし。

 一匹でもかわいいエサキさんがカップルになるとハート倍増。ラブリーすぎるカップルにお目にかかりたいと思いながらも、なかなかチャンスがありませんでした。しかしその瞬間は突然やってきたのです。なんと足元の草に長年の夢だったカップルが!もう大興奮して思わず絶叫。

 でもヘタに刺激するとカップルが離れてしまうことがあるので、まずは落ち着いて…。そーっとカメラを構えてまず一枚。その後ゆっくりと堪能しました。

 探しているときには見つからないけど、探していないと現れるもの。無欲の勝利ってやつです。普段から煩悩を捨てて無欲で生きていると、いいことあるかも? あ、すでに欲が丸出し…。ご購読はコチラ.pdf

2018.5月 ハシボソガラス

4面・ステキな出会い・写真.jpg 鳥たちが子育てをする季節です。もうヒナがかえっている鳥もあれば、ようやく日本に渡ってきてこれから子育て開始という鳥もいます。比較的早い時期に巣作りを始めるカラスは、ちょうど今の時期にヒナの巣立ちを迎えます。

 ある日、頭上から「アーアー」というカラスのヒナの声が聞こえてきました。春先にハシボソガラスが巣を作っていた場所です。高い木に巣を作っていたので中を見ることはできませんでしたが、どうやら順調に育ったらしいぞ…とワクワクしながら見上げてみました。すると巣から少し離れた枝に、ちんまりと座る一羽のカラスのお子様が!フワフワのお腹、鳴くたびに見える真っ赤な口の中が最高にキュート。名付けて「黒い天使」。

 親兄弟が周りに見当たらないのが気になりましたが、本人(鳥?)はリラックスした様子。まだまだ短い翼をはたはた振って甘えるしぐさに、ほと

んど出番のない私の母性本能が見事にくすぐられちゃいました。

 カラスは親の愛情がとても深い鳥です。人を襲うのも、我が子を守りたい一心からですからね。とってもかわいくてステキなカラスのことを好きな人が増えてくれるといいなあ。ご購読はコチラ.pdf

2018.4月 ノウサギ

4面・素敵な出会い・写真.jpg ツツジの花が咲き木々の芽吹きが輝く季節です。まだ冷たさを感じる朝、あっという間に進んでいく春を惜しみながら森を歩いていると、目の前を何かが走り抜けていきました。走り抜けるというよりは、跳ね抜けるという表現の方がピッタリかもしれない。しかも軽やかにではなく、ダッダッと重そうに…。

 跳ねていった先をドキドキしながらのぞいてみると、なんとそこにはノウサギが立っていたのです。前脚をピョコッとあげて立つ姿はピーターラビットそのもの!野生のノウサギを見るのは初めてのことで、大興奮で震える手と心を何とか抑えながらシャッターを押しました。少しの間こちらをじっと見て立っていましたが「はいサービスはここまで」と言わんばかりに、再び重そうに跳ねて森の中へ消えていきました。

 これまで糞は何度も見たことがありましたが、ようやく本体に出会えました。四月一日じゃなかったので、ウソではなく本物だったんだよね、きっと。

 ノウサギの好物にシュンランの葉があります。シュンランもちょうど花を咲かせる季節なんですが…この辺りのシュンランを丸坊主にしたのはキミだったのか!ご購読はコチラ.pdf

2018.3月 テングチョウ

4面・ステキな出会い・写真.JPG お彼岸の頃になると陽射しが春めいてきます。春の暖かさに誘われて落ち葉の残る林を歩いていると、足元からヒラヒラと小さなチョウが飛び立ちました。そしてすぐ近くに着地。やった!この春一番のチョウ!とウキウキしながらそっと近付いて…あれ?どこだ? 静かに探していると、落ち葉にしか見えなかったものがそっとハネを開き、ようやく居場所がわかりました。

 このチョウは、頭の先にテングの鼻のような突起があるテングチョウ。成虫で冬を過ごすため、暖かくなるとすぐに飛び始めることができます。ハネを閉じていると、まるで枯葉のような色ですが、開くとオレンジと白の模様が見えるようになります。とは言うものの、じっととまっていたら落ち葉にまぎれてしまいわかりませんが。

 閉じていたハネを開くのは、日光浴をして体温を上げるためです。陽射しを全身に受けて温まっている様子は本当に幸せそう。なんだか人間が温泉に浸かって「はぁ気持ちいい」と、ホッと一息ついているみたい。凝り固まった体をゆっくりほぐしてくださいな。

 厳しい冬の寒さがあったからこそ、春の暖かさをよりありがたく感じるんですよね。ご購読はコチラ.pdf

2018.2月 トラツグミ

4面・ステキな出会い・写真・トラツグミ.jpg 節分といえば鬼。鬼といえば虎のパンツ。そして冬の虎といえばトラツグミ。名前の通り虎模様をしたツグミの仲間です。普通のツグミのように開けた所に出てくるタイプではないのであまりお目にかかれませんが、ある時ラッキーなことに、向こうから寄ってきてくれたことがありました。

 主食のミミズを探すために、立ち止まっては体を小刻みに揺らし、またちょっと歩いては立ちどまって…という行動を繰り返しながら、少しずつこちらへ。こうやって土の中のミミズを驚かそうとしているようです。この様子がなんともコミカルで、見るたびに笑っちゃいます。

 そのうち、おもむろに口を土の中に突っ込んだかと思ったら、ミミズを一本引っ張り出しました。しかも極太!お見事!食べごたえがありそうですね。もちろんミミズもタダではのまれません。思いっきりクネクネと抵抗するもんだから、トラツグミも大苦戦。何度もミミズを地面にたたきつけてダメージを与えます。そして最後は一気にツルツルッ、ごっくん。ごちそうさま。胃袋がもぞもぞ動きそうだ。

 寒い時はアツアツのラーメンがおいしいですよね。皆さん、太麺はお好きですか?ご購読はコチラ.pdf

2018.1月 モ ズ

10日号・4面・ステキな出会い・写真.jpg 「百舌鳥」と書くようにバリエーション豊かな声を出すモズ。ちなみに私が大阪で通っていた大学の最寄駅は中百舌鳥という駅でした。

 冬場はオスとメスとが個々に縄張りを持ち、侵入しようものなら異性といえど追い出されてしまいます。また、小さいながらも肉食で「小さな猛禽」と呼ばれていて、枝先にカエルやバッタなどを刺す「はやにえ」が有名です。

 葉の落ちた木の枝にとまって一羽のモズがじっと地面を見つめていました。頭は動かず尾だけ動かすのもモズの特徴。クルクルクルッとリズミカルに尾を回している時は、何か考え事をしているんでしょうか。パッと飛び立ち草原に降りたかと思ったら、虫をくわえて枝に戻りました。寒くて一見何もいなさそうなのによく見つけるなあと、いつも感心します。真冬に新たな「はやにえ」を作ることだってあるんですから、生き物たちはこっそりと動いているんでしょうね。

 ある時、近くに飛んできたモズの頭に枯草が乗っていました。草に頭を突っ込んで付いたのでしょうか。鋭い眼光の上に鎮座する枯草、という笑える組み合わせ。何だそれ?と突っ込んでもらいたかったの?ご購読はコチラ.pdf

12月 ムササビ

4面・ステキな出会い・写真.JPG ムササビの恋の季節がやってきました。メスの縄張りにオスがいそいそと集まってきて、メスのOKが出るのを今か今かと待つようになります。

 ムササビは夜行性で、日没後三十分ほどで巣から出て活動を始めます。このころオスは一足早く巣を出て、メスの巣に向かっていきます。なんとメスの「出待ち」をするんです。人間の世界ではヘタをするとストーカーと言われそう? ムササビは草食ですが、草食系男子ではありません。

 メスの巣の下で人間も出待ちしていると、一頭のオスがどこからともなく現れました。来た!と思っているところへもう一頭出現、そしてオス同士の争いが勃発! お互いに追い出そうと追いかけ合いを始め、二頭がビュンビュンと飛び交う空中ショーが繰り広げられ、どこを見たらよいのやらという状態です。ムササビは普段は地面に降りることがほとんどありませんが、叩き落とされたのかドサッと落ちた一頭が急いで木に登るシーンも。この日は結局、まだその気じゃないメスがとっとと森の奥に消えて終了と相成りました。

 こんな繁殖行動は何日も続けて見られるわけではありません。寒い中で頑張った人だけが見せてもらえるご褒美です。ご購読はコチラ.pdf

11月 リスアカネ

4面・ステキな出会い・写真.jpg アカトンボの仲間の多くは、名前にアカネとつきます。リスアカネもそんなアカトンボの一つで、他のアカトンボと比べると秋遅くまで頑張ってくれる種類です。ちなみに動物のリスとは縁もゆかりもなく、リスは外国のトンボ学者の名前です。

 よく晴れた日のお昼ごろ、リスアカネのカップルが狭い範囲内をゆっくり飛んでいました。後ろのメスが空中から卵をパラパラと落としているんです。トンボの産卵は水面におなかをチョンチョンとつけるイメージがありますが、実は種類によって産卵方法も違います。ただ、このとき産卵していた場所は水辺からは遠く離れた草むら。おいおい、そこはどう考えてもヤゴが生きていけないぞ…と突っ込みを入れずにはおれませんでした。しかも、そんなおとぼけカップルが1組じゃなかったところが驚き。日の当たり具合や湿度がちょうど良かったの?

 もともとリスアカネは秋に水位が下がった池の岸辺に産卵し、池の水位が戻る春に卵がかえるというシステムになっています。だから産卵場所に水は不要というのはわかりますが、そこはいくら待っても水は貯まりませんよ。そこの彼。彼女をちゃんと連れてってくれなきゃ困ります!ご購読はコチラ.pdf

10月 ナガエノスギタケ

4面・ステキな出会い・写真.JPG  秋といえばキノコ。キノコといえば秋。秋とキノコは切っても切れないのが日本人です。

 いろいろある秋のキノコ中で、ある変わった種類のものを教えていただきました。変わっているのは見た目ではありません。色はほぼ白、大きさもちょっと大きめのマツタケくらいの、さほど主張しない程度。生えていても「あ、キノコだ」と通り過ぎてしまいそうなくらいです。何が変わっているのかというと、その生える場所です。ヒントは別名です。「モグラノセッチンタケ」というのですが…。セッチンとはトイレの昔の呼び方。つまり「モグラの便所キノコ」なんてストレートな名前なのかしら。

 その名の通り、なんと地中にある「モグラのトイレ」から生えているんです。モグラは地中の巣の一角にトイレがあります。このキノコはそこのアンモニアを分解して育ち、地上に伸びてくるという話題性の持ち主なのであります。といっても、地面を掘ってみないと、地上から見ただけでは分かりませんが。

 ただ、アンモニアなら何でもよくて、何かの死体から生えることもあるんだとか。ひぇ〜。掘ったらトイレじゃなくて骨が出てきたりして。掘るのやめておこっと。ご購読はコチラ.pdf

9月 ウラナミシジミ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 九月のお彼岸の頃になると、深紅のヒガンバナが田んぼを彩ります。今回の主役はヒガンバナ、ではありません。

 ある田んぼにアカトンボを探しに行ったときのこと。お目当てのトンボは芳しくありませんでしたが、代わりに畦の草に一組のカップルを見つけました。ウラナミシジミという小さなチョウです。仲睦まじいカップルを撮らせていただこうと思った矢先、突然別のオスが割り込んできました。あらあら、文字通りのお邪魔虫ですか。すると、案の定カップルは飛び立ってしまいました。

 あーあ、行っちゃったじゃない…と思っていたのですが、なんとカップルがとまった先が、そう、初めに出てきたヒガンバナだったんです。グッジョブ!

 ウラナミシジミは秋になるとよく見かけるようになる、この季節ならではのチョウ。そんなチョウが秋の花にとまるなんて、何ともすばらしい!秋晴れの空のもと、レッドカーペットに乗った主役のお二人をゆっくりと撮らせていただき、秋を満喫できました。

 虫にしても鳥にしても、見つけたところから飛ばれてしまうと状況が好転することは少ないのですが、今回はお邪魔虫君に感謝感謝!ご購読はコチラ.pdf

8月   カブトムシ 

4面・素敵な出会い・写真.jpg 甘酸っぱい香りが漂う樹液酒場に行くと、そこはカブトムシで大賑わいでした。三頭のメスと六頭のオス。このアンバランスな数の結果、オス同士のメスをめぐる熾烈な争いが勃発!酒場でのんびり一杯、なんてやってるヒマはございません。

 大きなオスがメスを背後からがっちりガードしているところに、他のオスが次々と戦いを挑んできます。その度に大きなオスが挑戦者たちを自慢のツノで威嚇して追い払います。遠くまで追いやって帰ってくると、ちゃっかり他のオスがメスに言い寄ってたりするから油断なりません。そんな不届き者に大きなオスは激怒!ついに決戦の火ぶたが切って落とされたのであります。

 ツノとツノを突き合わせて激しい攻防が続きます。ついに大きなオスが相手のおなかの下にツノを差し込み一気に投げ飛ばしました。見事な一本背負い!勝負ありと思ったら、挑戦者が再び挑んでいき再び投げ飛ばされ…以下同文。子孫がかかっているので、どちらもそう簡単に諦めるわけにはいかないようです。でも、たまに投げ飛ばした方が勢い余って自分もひっくり返ったりなんてアクシデントも。ぷぷっ。あ、のんきに見物なんてしてすみません。ご購読はコチラ.pdf

7月   ササグモ

4面・ステキな出会い・写真.jpg クモといえば網状の巣が思い浮かびます。しかし実は、網を張らないクモの方が多いのです。

 今回ご紹介するササグモもそんなクモの一つ。黄緑色の体を生かして草の葉の裏などでじっと獲物を待ち伏せします。ハッチョウトンボが捕まっているところをよく目にします。

 ある時、2匹のササグモが同じ草にとまっていました。これまでこんなに接近しているところは見たことがなかったので、これは何かあるぞ…と観察していると、小さい方(オス)が大きい方(メス)に少しずつ近付いていきます。どうやらプロポーズ中のご様子。しかしメスは気が乗らないらしく、オスを追い帰し、挙句の果てに一本の糸を伝って隣の草に逃げてしまいました。網を張らなくても移動用には糸を張るようです。残されたオス(右)はそれでも諦めません。メス(左)につながっている糸を脚で弾いて愛のメッセージを送っています。ツートントンってなんだかモールス信号みたい。

 残念ながら愛は受理されず、2匹の距離が縮まることはありませんでした。メスの機嫌を損ねると食べられちゃうこともあるので、フラれても命が助かって良かったと思わないとね。ご購読はコチラ.pdf

6月 ヤマカガシ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 今回ご紹介するのは、とっても衝撃的な出会いです。夢に出てきたらごめんなさい。

 ある日の夕方、ガサガサガサと落ち葉の上を引きずるような音が聞こえてきました。そこで見たのは、ぎょえーと叫びたくなるような強烈な現場でした。なんと毒ヘビであるヤマカガシが、大きなヒキガエルを丸のみしようとしていたのです。

 このチャンスを逃がしてなるものか!と口を思いっきり開けてカエルにかぶりつくヤマカガシ。あごが外れてそうですね。これを見た私のあごも外れるかと思いました。しばらく格闘していましたが、カエルの必死の抵抗もむなしく、ごちそうさまと相成ったのでありました。人間目線では残忍な場面かもしれませんが、自然界では当たり前に起こっている出来事です。

 ヤマカガシには牙と首の皮膚とにそれぞれ違った毒があります。皮膚の毒はヒキガエルを食べてその毒を自分の体内に貯め込むことで得られます。ヒキガエルがいない地域のヤマカガシには、この毒がないんだとか。食べ物を余すところなく利用し我が身を守る手段を得る…なんて無駄のないすばらしい技なんでしょう。「もったいない精神」の鏡ですね。ご購読はコチラ.pdf

5月 シュレーゲルアオガエル

4面・ステキな出会い・写真.jpg  「ケレレ…コロロ…」と、新緑が輝く水辺から軽やかな合唱が響いてきます。声の主はシュレーゲルアオガエル。名前を聞くと外国のカエルっぽいですが、れっきとした日本のカエルです。

 耳を澄ませながら近づいて行くと、さすがに警戒してピタッと鳴き止みます。ここだ!という場所でじっとしているとまた鳴き始めるのですが、どうやら声は地面の中から…。穴にこもって鳴いているようで、姿を見つけるのは至難の業です。カラオケの個室って感じでしょうか。

 しかし不思議なことに、夜になると一転して地上に出て鳴くようになります。水際にちょこんと座って、あの「ケレレ…コロロ…」を目の前で聞かせてくれるのです。のどを風船のように思いっきりプクッと膨らませるところがかわいいなぁ。

 鳴いているのはみんなオス。声で張り合うだけでは甘いと思ったのか、ライバルの上にドカンと乗り、降り際に蹴飛ばしていくという激しい場面に出くわしたことも。ただ、蹴られても気にしている様子がなかったところが逆に笑えちゃいました。踏まれても蹴られてもめげない強い精神が必要なのは、どこの世界も一緒ですね。ご購読はコチラ.pdf

4月 キランソウ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 地面に這いつくばるように葉っぱをひろげ、その脇に紫色の花を咲かせるキランソウ。春が来た!と感じる花の一つです。

 明るい道の脇や土手の斜面などで見ることが多いですが、なにせ地面にペタッと張り付いている上に花も小さいので、気にしていないとスルーしてしまいます。

 しかしある時、見逃そうにも見逃せないほどの大きさのキランソウに出会ってしまいました。一枚一枚は小さい葉っぱが、これでもかというくらい何重にもなって、全体としてはなんと手のひらサイズ!実際に手を並べてみると、指を全開にした状態と同じくらいの大きさがありました。こんな大きくなれるんだねって、失礼な話ですが。

 キランソウを撮影するには這いつくばる勢いが必要です。もちろん場所を考えないと、行き倒れていると勘違いされますので気を付けないといけませんよ。

 キランソウは薬草になり「死んで地獄に行かずにすむ」というところから、「ジゴクノカマノフタ」という別名がついたとか。地面に蓋をするようにひろがるところからこの名ついたという説もあるようですが、いずれにせよ、もうちょっとマシな名前はなかったんかい…?ご購読はコチラ.pdf

3月 コツバメ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 晴れてポカポカとした陽気の日は、外に出ないともったいない!ということで、お昼に散歩をしていると、足元から小さな光るものがチラチラと飛び立ちました。どこに行くかと見ていたら、少し先の地面に降り立ったので、そーっと近づいて行くと…あれ?とまったはず、という場所には落ち葉しか落ちていません。「いやいや、そんなはずはないぞ」と目を凝らして見てみると、いた!落ち葉そっくりの色の小さなチョウが!春一番に出てくるコツバメです。

 次に飛んでとまった先は、ツツジの花の上。ここにとまると目立ってわかりやすい!どうやらこの見晴らしが良い場所が気に入った様子です。メスがツツジのつぼみに産卵に来るのを待っているのかしら。

 こんな地味な色をしているのに飛ぶと光って見えるのは、実は青く輝くハネの表が、閉じてとまっていると見えないから。コツバメは絶対にハネを開いてとまってくれないので、その美しさをゆっくりと目にすることはできません。

 コツバメが見られるのは早春の短い間のみ。飛んだ時にだけ見える、秘められた美しさを探しながら、この時期ならではのお散歩を楽しんでみてはいかがですか?ご購読はコチラ.pdf

2月 カワセミ

4面・ステキな出会い・写真.jpg とある公園で池の横を歩いていた時のこと。池に張り出したサクラの木に違和感があったので、立ち止まって見てみました。この時期はまだ枝には何も付いていないはず。あの塊は何だろう…と思った物は、なんとカワセミでした。

 カワセミと言えば、バードウォッチャーでなくてもファンが多い鳥。全身輝く青色で、小さいけれども、存在感はピカイチです。

 うれしい気持ちを抑えつつ、植木の陰に隠れながら徐々に接近。ラッキーなことに、こちらに気付いてないのか、それとも単に気にしてないのか、のんびりと羽繕いを始めてくれました。翼、背中、尾羽も念入りに。水の中に全身突っ込んで小魚などを獲るので、びしょ濡れにならないよう羽に油を塗っておかなければいけませんからね。

 何度見てもうれしいものですが、一番最初にカワセミを見たときのことは、忘れることができません。十年ほど前の冷え込みが厳しかったある日、ちょこんとたたずむカワセミを、しゃがみ込んでずっと見ていた記憶があります。そしてその翌日にお腹を壊したというオマケの記憶付き。寒い日の観察は、体調を崩さないようホドホドにしましょうね。ご購読はコチラ.pdf

1月 ヨシガモ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 酉年の今年は美しいヨシガモからスタートです。

 角度によって赤や緑に輝く頭、流れるように垂れた腰の飾り羽。この美しさに加え、見られる場所が少ないこのカモに会えるとラッキーです! 川にいるところを見つけ、川岸の木に隠れながら見ることができたので、思ったよりも近くまで来てくれました。

 このときはオオバンの群れに混ざって行動していました。オオバンはくちばしが真っ白の鳥。このオオバンとヨシガモが一緒にいる理由…しばらく見ていたらわかりました。ヨシガモにとってメリットがあったのです。

 オオバンは水の中に潜るのが得意で、水草を引き上げて食べることができます。ヨシガモは潜ることができませんが、水草は食べたい!そこでヨシガモがとった作戦とは、オオバンが潜ったところで待っていて引き上げられた水草をお相伴に預かること!「種を超えた美しき友情」に見えますが、オオバンが明らかに迷惑そうにしていたところを見ると、どうも想像するような美しいものではなさそうです。

 ただし、そんなことをされてもオオバンは怒って追い払うようなことはしませんでした。人の考えなぞ及ばない深い関係があるようですね。ご購読はコチラ.pdf

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