ステキな出会いに感謝

トヨタの森インタープリター 川田奈穂子

6月 ヤマカガシ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 今回ご紹介するのは、とっても衝撃的な出会いです。夢に出てきたらごめんなさい。

 ある日の夕方、ガサガサガサと落ち葉の上を引きずるような音が聞こえてきました。そこで見たのは、ぎょえーと叫びたくなるような強烈な現場でした。なんと毒ヘビであるヤマカガシが、大きなヒキガエルを丸のみしようとしていたのです。

 このチャンスを逃がしてなるものか!と口を思いっきり開けてカエルにかぶりつくヤマカガシ。あごが外れてそうですね。これを見た私のあごも外れるかと思いました。しばらく格闘していましたが、カエルの必死の抵抗もむなしく、ごちそうさまと相成ったのでありました。人間目線では残忍な場面かもしれませんが、自然界では当たり前に起こっている出来事です。

 ヤマカガシには牙と首の皮膚とにそれぞれ違った毒があります。皮膚の毒はヒキガエルを食べてその毒を自分の体内に貯め込むことで得られます。ヒキガエルがいない地域のヤマカガシには、この毒がないんだとか。食べ物を余すところなく利用し我が身を守る手段を得る…なんて無駄のないすばらしい技なんでしょう。「もったいない精神」の鏡ですね。ご購読はコチラ.pdf

5月 シュレーゲルアオガエル

4面・ステキな出会い・写真.jpg  「ケレレ…コロロ…」と、新緑が輝く水辺から軽やかな合唱が響いてきます。声の主はシュレーゲルアオガエル。名前を聞くと外国のカエルっぽいですが、れっきとした日本のカエルです。

 耳を澄ませながら近づいて行くと、さすがに警戒してピタッと鳴き止みます。ここだ!という場所でじっとしているとまた鳴き始めるのですが、どうやら声は地面の中から…。穴にこもって鳴いているようで、姿を見つけるのは至難の業です。カラオケの個室って感じでしょうか。

 しかし不思議なことに、夜になると一転して地上に出て鳴くようになります。水際にちょこんと座って、あの「ケレレ…コロロ…」を目の前で聞かせてくれるのです。のどを風船のように思いっきりプクッと膨らませるところがかわいいなぁ。

 鳴いているのはみんなオス。声で張り合うだけでは甘いと思ったのか、ライバルの上にドカンと乗り、降り際に蹴飛ばしていくという激しい場面に出くわしたことも。ただ、蹴られても気にしている様子がなかったところが逆に笑えちゃいました。踏まれても蹴られてもめげない強い精神が必要なのは、どこの世界も一緒ですね。ご購読はコチラ.pdf

4月 キランソウ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 地面に這いつくばるように葉っぱをひろげ、その脇に紫色の花を咲かせるキランソウ。春が来た!と感じる花の一つです。

 明るい道の脇や土手の斜面などで見ることが多いですが、なにせ地面にペタッと張り付いている上に花も小さいので、気にしていないとスルーしてしまいます。

 しかしある時、見逃そうにも見逃せないほどの大きさのキランソウに出会ってしまいました。一枚一枚は小さい葉っぱが、これでもかというくらい何重にもなって、全体としてはなんと手のひらサイズ!実際に手を並べてみると、指を全開にした状態と同じくらいの大きさがありました。こんな大きくなれるんだねって、失礼な話ですが。

 キランソウを撮影するには這いつくばる勢いが必要です。もちろん場所を考えないと、行き倒れていると勘違いされますので気を付けないといけませんよ。

 キランソウは薬草になり「死んで地獄に行かずにすむ」というところから、「ジゴクノカマノフタ」という別名がついたとか。地面に蓋をするようにひろがるところからこの名ついたという説もあるようですが、いずれにせよ、もうちょっとマシな名前はなかったんかい…?ご購読はコチラ.pdf

3月 コツバメ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 晴れてポカポカとした陽気の日は、外に出ないともったいない!ということで、お昼に散歩をしていると、足元から小さな光るものがチラチラと飛び立ちました。どこに行くかと見ていたら、少し先の地面に降り立ったので、そーっと近づいて行くと…あれ?とまったはず、という場所には落ち葉しか落ちていません。「いやいや、そんなはずはないぞ」と目を凝らして見てみると、いた!落ち葉そっくりの色の小さなチョウが!春一番に出てくるコツバメです。

 次に飛んでとまった先は、ツツジの花の上。ここにとまると目立ってわかりやすい!どうやらこの見晴らしが良い場所が気に入った様子です。メスがツツジのつぼみに産卵に来るのを待っているのかしら。

 こんな地味な色をしているのに飛ぶと光って見えるのは、実は青く輝くハネの表が、閉じてとまっていると見えないから。コツバメは絶対にハネを開いてとまってくれないので、その美しさをゆっくりと目にすることはできません。

 コツバメが見られるのは早春の短い間のみ。飛んだ時にだけ見える、秘められた美しさを探しながら、この時期ならではのお散歩を楽しんでみてはいかがですか?ご購読はコチラ.pdf

2月 カワセミ

4面・ステキな出会い・写真.jpg とある公園で池の横を歩いていた時のこと。池に張り出したサクラの木に違和感があったので、立ち止まって見てみました。この時期はまだ枝には何も付いていないはず。あの塊は何だろう…と思った物は、なんとカワセミでした。

 カワセミと言えば、バードウォッチャーでなくてもファンが多い鳥。全身輝く青色で、小さいけれども、存在感はピカイチです。

 うれしい気持ちを抑えつつ、植木の陰に隠れながら徐々に接近。ラッキーなことに、こちらに気付いてないのか、それとも単に気にしてないのか、のんびりと羽繕いを始めてくれました。翼、背中、尾羽も念入りに。水の中に全身突っ込んで小魚などを獲るので、びしょ濡れにならないよう羽に油を塗っておかなければいけませんからね。

 何度見てもうれしいものですが、一番最初にカワセミを見たときのことは、忘れることができません。十年ほど前の冷え込みが厳しかったある日、ちょこんとたたずむカワセミを、しゃがみ込んでずっと見ていた記憶があります。そしてその翌日にお腹を壊したというオマケの記憶付き。寒い日の観察は、体調を崩さないようホドホドにしましょうね。ご購読はコチラ.pdf

1月 ヨシガモ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 酉年の今年は美しいヨシガモからスタートです。

 角度によって赤や緑に輝く頭、流れるように垂れた腰の飾り羽。この美しさに加え、見られる場所が少ないこのカモに会えるとラッキーです! 川にいるところを見つけ、川岸の木に隠れながら見ることができたので、思ったよりも近くまで来てくれました。

 このときはオオバンの群れに混ざって行動していました。オオバンはくちばしが真っ白の鳥。このオオバンとヨシガモが一緒にいる理由…しばらく見ていたらわかりました。ヨシガモにとってメリットがあったのです。

 オオバンは水の中に潜るのが得意で、水草を引き上げて食べることができます。ヨシガモは潜ることができませんが、水草は食べたい!そこでヨシガモがとった作戦とは、オオバンが潜ったところで待っていて引き上げられた水草をお相伴に預かること!「種を超えた美しき友情」に見えますが、オオバンが明らかに迷惑そうにしていたところを見ると、どうも想像するような美しいものではなさそうです。

 ただし、そんなことをされてもオオバンは怒って追い払うようなことはしませんでした。人の考えなぞ及ばない深い関係があるようですね。ご購読はコチラ.pdf

12月 サネカズラの実

4面・ステキな出会い・写真.jpg 深紅という言葉がぴったりの、真っ赤なサネカズラの実が実る季節です。ツルからぶら下がる丸い実は、天然のクリスマス飾りです。

 昔はサネカズラのツルからとった液を男性の整髪剤に使ったことから、ビナン(美男)カズラという名前もあります。へぇと思った方、ぜひお試しください。ただしご注意いただきたいのは、整髪剤であって育毛剤ではないことです。塗っても生えません! この実はなんと、食べられるんです。というか、食べても大丈夫でした。もちろん毒がないかどうかを調べてから食べていますのでご安心を。

 あまりにおいしそうだったので、粒々を一つ取って食べてみました。味はと言うと、ハーブのようなスーッとする感じの中にさわやかな甘みがあり、のどアメみたいでした。実の色が濃くなり、透明感が出てきたくらいになった方が、甘味がより濃くておいしい!手が止まらなくなるくらいの、イチオシの味です。

 サネカズラの実は味がないと書かれていることもありますが、やはり自分で試してみないとわからないものです。ただし、鳥からおすそ分けをいただくという気持ちで、ちょこっと味見程度にしましょうね。ご購読はコチラ.pdf

11月 オオアオイトトンボ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 日に日に虫の姿が減っていくこの季節は、全く見なくなる冬よりも寂しさを感じます。

 それでもまだ池にはトンボがやってきます。秋遅くまで活動している数少ないトンボの一つが、オオアオイトトンボ。細いながらもキラキラとメタリックな色で目を引きますが、さらに雌雄でハート型になっていると注目度アップ!見つけたときは大喜びで撮影していましたが、もしかしてこれが今年のハートの撮り納めになるかも…なんて考えると心の中に隙間風がピューッ。

 池に張り出した木の枝を見上げると、そこにもオオアオイトトンボのカップルがつかまっていました。でもハート型ではなく、雌雄が連なっている状態です。見ていると、メスがお腹を曲げて先を枝に突き立て始めました。このトンボは木の枝に細い産卵管を差し込んで産卵する珍しい習性があります。生まれた幼虫は、池にポトンと落ちて水中で育つという仕組み。うまくできてる〜。枝なんて硬いものによくぞ産めるもんだと感心します。

 産卵された枝には、まるでツベルクリン注射の跡のような点々が残っています。文字通り刻みこまれてきた歴史がこの先も続きますように。ご購読はコチラ.pdf

10月 カニノツメ

4面・ステキな出会い・写真カ.jpg 有名な『サルカニ合戦』は、サルが意地悪で落としたカキの実の下敷きになってカニのお母さんが死んでしまうお話です。最後はそのサルをみんなの力でやっつけますが、実はその続きがあるのをご存知ですか? 毎年秋になると、あのカニのお母さんの怨霊が「カキをくれ〜」と地面から大きな爪をニョキッと出して、近くを通りかかった人を引きずり込んでしまうのです…。

 きゃぁぁぁぁ〜 そんな怪談ができそうなくらい、カニの爪そっくりのキノコが生えていました。そのまんま「カニノツメ」という、ひねりのカケラもない名前。でもそれ以外つけようがないでしょうね、これは。

 こういうキノコがあることは知っていましたが実際に見るのは初めて。形といい色といい、見事な〝カニっぷり〟に衝撃を受けました。細長い物から短い物まであり、時間が経つにつれ長く伸びていくようでした。

 爪の隙間にある泥のようなものが胞子らしいのですが、これがクサイのなんのって。ただそのニオイは、虫を引き寄せるための秘策だそうです。

 お鍋に入れてカニ味の出汁が出ればうれしいですが、このニオイをかぐと、ちょっと期待できそうにありませんね。ご購読はコチラ.pdf

9月 シデコブシの実

4面・ステキな出会い・写真タ.jpg 三月から四月にかけて美しい花を咲かせるシデコブシは、東海地方特有の植物として有名です。そして、その実が熟すのがちょうどこの時期。

 シデコブシの実をわざわざ見に行く人は少ないかもしれませんが、この実こそがコブシという名前の由来。ごつごつした感じが握りこぶしみたいだから、だそうです。このごつごつがパカッと割れて、中から真っ赤な皮をまとった種が顔をのぞかせるから驚き。まるでペンキを塗ったかのように鮮やかな色かつピッカピカ。この色で鳥たちに「食べて」とアピールをしているようです。

 種たちは顔を出して少し経つと、次は白い糸でぶら〜んとぶら下がるようになります。なんだかへその緒でお母さんとつながっているようにも見えます。この糸がとても気になってしまい、恐る恐るゆっくりと種を引っ張ってみました。するとどうなったと思います?プチッと切れるかと思いきや、ゴムのように伸びたんです。ただしゴムと違うところは、引っ張っていた種を放しても、短くなることなく伸びたままをキープするところ。なんでもやってみないとわかりませんね。

 百聞は一見にしかず!どこまで伸びるか、ぜひお試しあれ。ご購読はコチラ.pdf

8月 ルリモンハナバチ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 「幸せの青い鳥」は有名ですが、「幸せの青いハチ」の方はほぼ無名。私も実際に出会うまでは知りませんでした。

 原っぱを歩いていると、青いものが目の前を飛んでいき、ノアザミの花にとまりました。「チョウじゃないしなぁ」と思いながら近付くと、なんととまっていたのはキレイなハチ! ルリモンハナバチというだけあって、体中に瑠璃色の紋が散りばめられています。さらにキラキラと輝く翅。こんな宝石のような生き物を作り出した自然の不思議さを感じずにはおれません。すごいなあ。

 ハチが花から花へ飛んで移る度に、私も小さな宝石を追いかけてウロウロ。あまり長居はしてくれませんでしたが、飛んで行ってしまった後も「きれいだったなあ」と幸せに包まれ、その日一日ルンルンでした。

 ハチと聞くと刺す危険なイメージがありますが、この「幸せの青いハチ」は花にやって来るだけの平和主義者。出会ったらそっと近付き、思う存分間近で幸せ感を目に焼き付けちゃいましょう。ただし「幸せは自分でつかみ取るもの」という言葉に習って、この小さな幸せを実際につかみ取ったら、うーん…どうなるかなあ? あまりおススメはいたしません。ご購読はコチラ.pdf

7月 ベニイトトンボ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 八年前の七月十四日、その後の私の人生を大きく変える出会いがありました。

 晴れて暑い夏らしい日のお昼頃でした。あるため池の近くで、紅色のイトトンボが草にとまっていました。しかもオスとメスとが縦に連なった状態で。しばらくするとオスが体を曲げ、メスを持ち上げました。すると、メスはおなかの先をオスの方にグイッと曲げ、なんと最後にはきれいなハートマークになったではありませんか!これが人生で初めて見るトンボの交尾でした。

 鮮やかな紅色のトンボのカップルがハートマークを作り上げるって、なんてステキなんだろう!この時、私のハートが一瞬でズキューンと射抜かれてしまったのです。

 今でこそトンボ好きを公言していますが、そのころはトンボのトの字も知らない、というか興味がありませんでした。でも、たまたま出会ったこのハートから私のトンボ人生が始まり、あちこちにトンボを見に出かけるくらいまでになってしまいました。

 いやー運命の出会いってあるもんなんですね。新たな喜びと楽しみを教えてもらえて本当に幸せです。今年のトンボ記念日は、どうやってお祝いしようかな。ご購読はコチラ.pdf

6月 クロコノマチョウ

4面・スタキな出会い・写真.jpg 朝まだ日が当たる前の草むらで、羽化したばかりのチョウがサナギの殻につかまってぶら下がっていました。クロコノマチョウというこげ茶色をしたチョウです。

 クロコノマチョウは翅を閉じていると、まるで枯葉のよう。しかし、開くと少女マンガに出てくるようなキラキラしたかわいい目玉模様が現れます。ただし問題が一つ。クロコノマチョウは、普段は翅を開いてとまることがまずないため、このお目々を拝見することはほぼ不可能なんです。

 それが可能となるタイミングが一度だけあります。それが羽化後に初めて飛んでとまったとき。なぜかこの時だけは翅を開いてくれるんです。

 飛ぶときをじっと待って…飛んだら急いで追跡。とまった直後に数回パタパタと翅を開いたり閉じたりしているこの時がシャッターチャンス!おぉー、なんてかわいい模様なんだ! でも一度閉じてしまうと、次に飛んでとまるまで開いてくれません。そしてまた飛ぶと追跡。これを何度か繰り返すうちに、フワーッと森の中へと消えていきました。ありがとう! いったいこんな私の姿は、クロコノマチョウのお目々にどんなふうに映っているんでしょう?ご購読はコチラ.pdf

5月 シロシタホタルガの幼虫

4面・すてきな出会い・写真.jpg 映画「となりのトトロ」に出てくるキャラクターで、トトロと並んで有名なのがネコバス。人を乗せて空を駆け抜ける大きなネコです。そんなネコバスに会えるのがこの季節。とは言うものの、人が乗れるほど大きくはありません。むしろ目を凝らして探さないと会えないくらいですが、幸い居る場所は決まっています。サワフタギやクロミノニシゴリという木がお気に入りなんです。

 あ、いたいた! ネコバスの正体はシロシタホタルガという蛾のカラフルな幼虫です。背中に並ぶ丸い模様がバスの窓のように見えませんか。脚がたくさんあるところも、ネコバスのイメージにぴったり。イモムシと聞くと嫌がる人も、ネコバスと言うと思わず見ちゃうんですよね。

 葉や花をムシャムシャといっぱい食べて、あっという間にムチムチの体になります。そしてしばらくすると、パタッと姿を消します。どうやら巻いた葉の中でサナギになり、成虫になる準備を始めるようです。

 ネコバスは映画の中で、行きたい場所や会いたい人の元へ連れて行ってくれました。私もこの小さなネコバスを見るたびにお願いしていますが、まだ連れて行ってもらえてないなぁ。ご購読はコチラ.pdf

4月 ジャコウアゲハ

4面・ステキな出会い・写真.jpg ツツジは春にピッタリのピンクの花を咲かせます。でも、ある公園で見たドウダンツツジの花は白くて小さく、まるで満天の星空のよう。その「星空」に、花とは対称的な真っ黒で大きいチョウが舞い降りてきました。黒い羽衣をまとった天女の正体はジャコウアゲハ。花の前でヒラヒラと羽ばたいたり、時には花にぶら下がったりしながら、蜜を吸っている様子。普段なかなかとまらないチョウだけに、貴重なシャッターチャンス!

 のんびりとお食事をしている最中に、近くを別のチョウが通りかかりました。すると、一気に猛追開始!空高く追い出したところで、また戻ってお食事を再開。なんていうシーンが一度や二度どころじゃなく…。追い出す方も追い出される方も大変だ。

 お腹が赤くて何とも毒々しいのですが、なんとこれが実際に毒を持ってるんです。「人は見かけによらぬもの」といいますが、ジャコウアゲハは見かけ通り「ワタシハキケン」と自己主張しているわけです。毒は幼虫時代に食べていた草から体内に取り込んだもので、敵に食べられないための工夫の一つです。ただし、「タベタラシヌデ」というほどの毒ではないそうなのでご安心を。ご購読はコチラ.pdf

3月 シデコブシ

4面・素敵な出会い・写真.jpg 三月に入ると楽しみなのが東海地方特有の木、シデコブシの開花です。細長くてヒラヒラとした花びらがたくさんついて見ごたえのある花が特徴。花の色は白からピンクまでバリエーションがありますが、私は白地にうっすらピンクの筋が入る程度の色が好みです。

 シデコブシは他の木の芽吹きに先駆けて咲きます。色の少ない風景の中にシデコブシが咲いていると、そこだけ白くくっきりと浮き上がって見え、とてもきれいです。花を間近で見るのも良いですが、少し遠くから眺めるのもおすすめ。昼間に満天の星空を見ているかのような気持ちにさせてくれます。

 つぼみはフワフワの毛に包まれています。寒い冬を無事に乗り切るための毛皮のコートです。春につぼみの先が割れて中から花びらが伸びている様子は、まるで一息ついているみたい。ようやく外の世界に出られた!とホッとしているのかな。

 そんなつぼみですが、咲く前に鳥に食べられてしまい、苦労が水の泡なんてことも。ただ、木が枯れる訳じゃないし、鳥が喜ぶんならいいか、とシデコブシは思ってるかも。ちなみに花びらはスパイシーな味がするんですよ。散った花びらでお試しあれ!ご購読はコチラ.pdf

2月 メジロ

4面・ステキな出会い・写真メ.jpg 梅に……とくればウグイスですが、実際には、梅にウグイスはまず来ません。梅が咲くと大喜びで現れるのはメジロです。

 満開の梅林を歩いていると、いました居ました。花から花へちょこまかと動き回るメジロたち。花の中に細いくちばしを突っ込んで蜜を吸っています。こうしているうちに、顔先を花粉で黄色くお化粧されちゃってるところがまたかわいい!

 花の位置や角度に合わせて、いろんなポーズを見せてくれます。上の枝に咲いている花に向かって背伸びをしているのを見て、こんなに首が伸びるんだぁとビックリ。下向きの花の場合は、写真のように器用に枝にぶら下がります。このまま起き上がることもありますが、枝をパッと放して落下しつつ飛び上がる大技を披露してくれることも。飛べるっていいなあ。

 奈良時代のお花見では桜ではなく梅を鑑賞していたそうです。万葉の歌人たちもメジロを見て楽しんでいたかも。花は花粉を運んでもらえて喜び、メジロはおいしい蜜をもらえて喜び、そしてそんなかわいいメジロを見て人が喜ぶ。この千年以上続いてきた「誰もが喜ぶ平和な世界のお手本」が目の前にあるかと思うと、お団子どころじゃありませんよ。ご購読はコチラ.pdf

1月 アオバト

4面・ステキな出会い・写真ア.jpg 新年早々、幸せの青い鳥に遭遇しちゃったことがあるんです。その名もアオバト。ただし「青」といっても、空や海のような青ではなく、抹茶のような緑。青信号といいながらも実際には緑なのと同じ感覚ですね。

 なんてことない街中の公園を歩いていたら、目の前をぴゅーっと緑の物体が横切って飛んでいきました。飛び方からするとハト。そんな色のハトはアオバトしかいません。飛び込んでいった木まで急いで行って探してみましたが、葉に隠れてどこにいるかわかりません。さすが同じ色をしているだけあります。そうこうしているうちに飛ばれてしまいました。

 そして再び飛んで行った先を探すと、今度は…いたいた!見つけることができました。肩の部分が赤っぽい色をしているのでオスです。動かなければバレないと思っているのか、真下まで行っても微動だにしないという余裕っぷり。おかげでいろいろな表情を堪能できて、幸せな時間を過ごせました。

 アオバトは冬になると平地にやってくることもしばしばですが、簡単に会えるものではありません。そんなラッキーなスタートを切った一年がどんな年だったかは、ご想像にお任せします。ご購読はコチラ.pdf

HOMEへ


過去の記事・連載はこちら