ステキな出会いに感謝

トヨタの森インタープリター 川田奈穂子

2018.8月 チャミノガのミノムシ

4面・ステキな出会い・写真.jpgミノムシは誰もが知っているあの虫です。木の葉でできたミノをまとい枝にぶら下がっている、地味だけど有名な虫の正体は…ミノガというガの幼虫です。ミノガにもいろんな種類があって、種類ごとにミノの材料や形が違います。

 お茶の木で見つけたミノムシのミノは、小枝ばかりを使ったシンプルなものでした。チャミノガという種類のようです。ただぶら下がっていたのではなく、ミノのてっぺんから頭を出して葉っぱを食べていました。小さな脚も出して葉っぱをつかみムシャムシャ。

 細い枝先で枝をかじっているものもいました。枝を脚でしっかりつかみ、枝の周りをぐるっと輪を描くようにかじって、最終的には切り取りました。結構口が強力のようです。この間、ミノは残るほうの枝に糸でくっつけてあるところはさすが。切り取るほうの枝にくっつけちゃうドジは…いないか。

 この枝をどうするのかと思ったら、なんと自分のミノにぺたっ。増築用だったのね。ひと段落つくとミノにすっぽり入り込み、一瞬で出口を巾着のようにキュッと閉じました。一体どんな仕掛けがあるの? 小さなミノには幼虫だけでなく技も詰まっているんですね。ご購読はコチラ.pdf

2018.7月 ヤブヤンマ

4面・ステキな出会い・写真.jpg  夏の熱い昼下がりは、お昼寝して過ごすに限ります。風の通る涼しい日陰で、セミの声をBGMにうとうと…と、お休みしたくなるのは人間だけではありません。なんと、トンボたちもお昼寝好きなんです。特に体の大きなヤンマたちは体力の消耗を少しでも減らすためなのか、正午前後は林の中の木にぶら下がって休憩する習性があります。

 朝からかんかん照りだった日のお昼、木陰を歩いていると道のすぐ横の木に青いものがぶら下がっていました。こ、これはヤブヤンマ!しかも普段なかなかお目にかかれないオス!よりによってカメラを持っていなかったので、そーっと後ずさりしてカメラを取りに行き、急いで戻りました。しかし、案の定お昼寝中のヤブヤンマは相変わらずブラーン。爆睡中のため、じわじわ寄って目の前まで来ても動かない…。さすがに指先でそっと触れると飛びましたが、近くに再びとまってブラーン。おかげでコバルトブルーの輝く目を堪能させていただくことができましたが、こんな無防備でいいのかしら?

 スペインのシエスタをいち早く取り入れている(?)トンボを見習って、午後はのんびりお昼寝タイムと洒落込みたいですね。ご購読はコチラ.pdf

2018.6月 エサキモンキツノカメムシ

4面・ステキな出会い・写真.jpg カメムシは好印象とは程遠いイメージを持たれることが多い昆虫。でも、エサキモンキツノカメムシは愛されキャラのカメムシです。長い名前…。

 かわいいポイントその一、背中の紋の形がハート型をしている! ポイントその二、お母さんが子育てをする! 卵や孵化したばかりの幼虫をお母さんが外敵からがっちりガードします。ハートを背負っているだけではなく愛情深いと聞いたら誰もが「まぁ、かわいい」と思うこと間違いなし。

 一匹でもかわいいエサキさんがカップルになるとハート倍増。ラブリーすぎるカップルにお目にかかりたいと思いながらも、なかなかチャンスがありませんでした。しかしその瞬間は突然やってきたのです。なんと足元の草に長年の夢だったカップルが!もう大興奮して思わず絶叫。

 でもヘタに刺激するとカップルが離れてしまうことがあるので、まずは落ち着いて…。そーっとカメラを構えてまず一枚。その後ゆっくりと堪能しました。

 探しているときには見つからないけど、探していないと現れるもの。無欲の勝利ってやつです。普段から煩悩を捨てて無欲で生きていると、いいことあるかも? あ、すでに欲が丸出し…。ご購読はコチラ.pdf

2018.5月 ハシボソガラス

4面・ステキな出会い・写真.jpg 鳥たちが子育てをする季節です。もうヒナがかえっている鳥もあれば、ようやく日本に渡ってきてこれから子育て開始という鳥もいます。比較的早い時期に巣作りを始めるカラスは、ちょうど今の時期にヒナの巣立ちを迎えます。

 ある日、頭上から「アーアー」というカラスのヒナの声が聞こえてきました。春先にハシボソガラスが巣を作っていた場所です。高い木に巣を作っていたので中を見ることはできませんでしたが、どうやら順調に育ったらしいぞ…とワクワクしながら見上げてみました。すると巣から少し離れた枝に、ちんまりと座る一羽のカラスのお子様が!フワフワのお腹、鳴くたびに見える真っ赤な口の中が最高にキュート。名付けて「黒い天使」。

 親兄弟が周りに見当たらないのが気になりましたが、本人(鳥?)はリラックスした様子。まだまだ短い翼をはたはた振って甘えるしぐさに、ほと

んど出番のない私の母性本能が見事にくすぐられちゃいました。

 カラスは親の愛情がとても深い鳥です。人を襲うのも、我が子を守りたい一心からですからね。とってもかわいくてステキなカラスのことを好きな人が増えてくれるといいなあ。ご購読はコチラ.pdf

2018.4月 ノウサギ

4面・素敵な出会い・写真.jpg ツツジの花が咲き木々の芽吹きが輝く季節です。まだ冷たさを感じる朝、あっという間に進んでいく春を惜しみながら森を歩いていると、目の前を何かが走り抜けていきました。走り抜けるというよりは、跳ね抜けるという表現の方がピッタリかもしれない。しかも軽やかにではなく、ダッダッと重そうに…。

 跳ねていった先をドキドキしながらのぞいてみると、なんとそこにはノウサギが立っていたのです。前脚をピョコッとあげて立つ姿はピーターラビットそのもの!野生のノウサギを見るのは初めてのことで、大興奮で震える手と心を何とか抑えながらシャッターを押しました。少しの間こちらをじっと見て立っていましたが「はいサービスはここまで」と言わんばかりに、再び重そうに跳ねて森の中へ消えていきました。

 これまで糞は何度も見たことがありましたが、ようやく本体に出会えました。四月一日じゃなかったので、ウソではなく本物だったんだよね、きっと。

 ノウサギの好物にシュンランの葉があります。シュンランもちょうど花を咲かせる季節なんですが…この辺りのシュンランを丸坊主にしたのはキミだったのか!ご購読はコチラ.pdf

2018.3月 テングチョウ

4面・ステキな出会い・写真.JPG お彼岸の頃になると陽射しが春めいてきます。春の暖かさに誘われて落ち葉の残る林を歩いていると、足元からヒラヒラと小さなチョウが飛び立ちました。そしてすぐ近くに着地。やった!この春一番のチョウ!とウキウキしながらそっと近付いて…あれ?どこだ? 静かに探していると、落ち葉にしか見えなかったものがそっとハネを開き、ようやく居場所がわかりました。

 このチョウは、頭の先にテングの鼻のような突起があるテングチョウ。成虫で冬を過ごすため、暖かくなるとすぐに飛び始めることができます。ハネを閉じていると、まるで枯葉のような色ですが、開くとオレンジと白の模様が見えるようになります。とは言うものの、じっととまっていたら落ち葉にまぎれてしまいわかりませんが。

 閉じていたハネを開くのは、日光浴をして体温を上げるためです。陽射しを全身に受けて温まっている様子は本当に幸せそう。なんだか人間が温泉に浸かって「はぁ気持ちいい」と、ホッと一息ついているみたい。凝り固まった体をゆっくりほぐしてくださいな。

 厳しい冬の寒さがあったからこそ、春の暖かさをよりありがたく感じるんですよね。ご購読はコチラ.pdf

2018.2月 トラツグミ

4面・ステキな出会い・写真・トラツグミ.jpg 節分といえば鬼。鬼といえば虎のパンツ。そして冬の虎といえばトラツグミ。名前の通り虎模様をしたツグミの仲間です。普通のツグミのように開けた所に出てくるタイプではないのであまりお目にかかれませんが、ある時ラッキーなことに、向こうから寄ってきてくれたことがありました。

 主食のミミズを探すために、立ち止まっては体を小刻みに揺らし、またちょっと歩いては立ちどまって…という行動を繰り返しながら、少しずつこちらへ。こうやって土の中のミミズを驚かそうとしているようです。この様子がなんともコミカルで、見るたびに笑っちゃいます。

 そのうち、おもむろに口を土の中に突っ込んだかと思ったら、ミミズを一本引っ張り出しました。しかも極太!お見事!食べごたえがありそうですね。もちろんミミズもタダではのまれません。思いっきりクネクネと抵抗するもんだから、トラツグミも大苦戦。何度もミミズを地面にたたきつけてダメージを与えます。そして最後は一気にツルツルッ、ごっくん。ごちそうさま。胃袋がもぞもぞ動きそうだ。

 寒い時はアツアツのラーメンがおいしいですよね。皆さん、太麺はお好きですか?ご購読はコチラ.pdf

2018.1月 モ ズ

10日号・4面・ステキな出会い・写真.jpg 「百舌鳥」と書くようにバリエーション豊かな声を出すモズ。ちなみに私が大阪で通っていた大学の最寄駅は中百舌鳥という駅でした。

 冬場はオスとメスとが個々に縄張りを持ち、侵入しようものなら異性といえど追い出されてしまいます。また、小さいながらも肉食で「小さな猛禽」と呼ばれていて、枝先にカエルやバッタなどを刺す「はやにえ」が有名です。

 葉の落ちた木の枝にとまって一羽のモズがじっと地面を見つめていました。頭は動かず尾だけ動かすのもモズの特徴。クルクルクルッとリズミカルに尾を回している時は、何か考え事をしているんでしょうか。パッと飛び立ち草原に降りたかと思ったら、虫をくわえて枝に戻りました。寒くて一見何もいなさそうなのによく見つけるなあと、いつも感心します。真冬に新たな「はやにえ」を作ることだってあるんですから、生き物たちはこっそりと動いているんでしょうね。

 ある時、近くに飛んできたモズの頭に枯草が乗っていました。草に頭を突っ込んで付いたのでしょうか。鋭い眼光の上に鎮座する枯草、という笑える組み合わせ。何だそれ?と突っ込んでもらいたかったの?ご購読はコチラ.pdf

12月 ムササビ

4面・ステキな出会い・写真.JPG ムササビの恋の季節がやってきました。メスの縄張りにオスがいそいそと集まってきて、メスのOKが出るのを今か今かと待つようになります。

 ムササビは夜行性で、日没後三十分ほどで巣から出て活動を始めます。このころオスは一足早く巣を出て、メスの巣に向かっていきます。なんとメスの「出待ち」をするんです。人間の世界ではヘタをするとストーカーと言われそう? ムササビは草食ですが、草食系男子ではありません。

 メスの巣の下で人間も出待ちしていると、一頭のオスがどこからともなく現れました。来た!と思っているところへもう一頭出現、そしてオス同士の争いが勃発! お互いに追い出そうと追いかけ合いを始め、二頭がビュンビュンと飛び交う空中ショーが繰り広げられ、どこを見たらよいのやらという状態です。ムササビは普段は地面に降りることがほとんどありませんが、叩き落とされたのかドサッと落ちた一頭が急いで木に登るシーンも。この日は結局、まだその気じゃないメスがとっとと森の奥に消えて終了と相成りました。

 こんな繁殖行動は何日も続けて見られるわけではありません。寒い中で頑張った人だけが見せてもらえるご褒美です。ご購読はコチラ.pdf

11月 リスアカネ

4面・ステキな出会い・写真.jpg アカトンボの仲間の多くは、名前にアカネとつきます。リスアカネもそんなアカトンボの一つで、他のアカトンボと比べると秋遅くまで頑張ってくれる種類です。ちなみに動物のリスとは縁もゆかりもなく、リスは外国のトンボ学者の名前です。

 よく晴れた日のお昼ごろ、リスアカネのカップルが狭い範囲内をゆっくり飛んでいました。後ろのメスが空中から卵をパラパラと落としているんです。トンボの産卵は水面におなかをチョンチョンとつけるイメージがありますが、実は種類によって産卵方法も違います。ただ、このとき産卵していた場所は水辺からは遠く離れた草むら。おいおい、そこはどう考えてもヤゴが生きていけないぞ…と突っ込みを入れずにはおれませんでした。しかも、そんなおとぼけカップルが1組じゃなかったところが驚き。日の当たり具合や湿度がちょうど良かったの?

 もともとリスアカネは秋に水位が下がった池の岸辺に産卵し、池の水位が戻る春に卵がかえるというシステムになっています。だから産卵場所に水は不要というのはわかりますが、そこはいくら待っても水は貯まりませんよ。そこの彼。彼女をちゃんと連れてってくれなきゃ困ります!ご購読はコチラ.pdf

10月 ナガエノスギタケ

4面・ステキな出会い・写真.JPG  秋といえばキノコ。キノコといえば秋。秋とキノコは切っても切れないのが日本人です。

 いろいろある秋のキノコ中で、ある変わった種類のものを教えていただきました。変わっているのは見た目ではありません。色はほぼ白、大きさもちょっと大きめのマツタケくらいの、さほど主張しない程度。生えていても「あ、キノコだ」と通り過ぎてしまいそうなくらいです。何が変わっているのかというと、その生える場所です。ヒントは別名です。「モグラノセッチンタケ」というのですが…。セッチンとはトイレの昔の呼び方。つまり「モグラの便所キノコ」なんてストレートな名前なのかしら。

 その名の通り、なんと地中にある「モグラのトイレ」から生えているんです。モグラは地中の巣の一角にトイレがあります。このキノコはそこのアンモニアを分解して育ち、地上に伸びてくるという話題性の持ち主なのであります。といっても、地面を掘ってみないと、地上から見ただけでは分かりませんが。

 ただ、アンモニアなら何でもよくて、何かの死体から生えることもあるんだとか。ひぇ〜。掘ったらトイレじゃなくて骨が出てきたりして。掘るのやめておこっと。ご購読はコチラ.pdf

9月 ウラナミシジミ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 九月のお彼岸の頃になると、深紅のヒガンバナが田んぼを彩ります。今回の主役はヒガンバナ、ではありません。

 ある田んぼにアカトンボを探しに行ったときのこと。お目当てのトンボは芳しくありませんでしたが、代わりに畦の草に一組のカップルを見つけました。ウラナミシジミという小さなチョウです。仲睦まじいカップルを撮らせていただこうと思った矢先、突然別のオスが割り込んできました。あらあら、文字通りのお邪魔虫ですか。すると、案の定カップルは飛び立ってしまいました。

 あーあ、行っちゃったじゃない…と思っていたのですが、なんとカップルがとまった先が、そう、初めに出てきたヒガンバナだったんです。グッジョブ!

 ウラナミシジミは秋になるとよく見かけるようになる、この季節ならではのチョウ。そんなチョウが秋の花にとまるなんて、何ともすばらしい!秋晴れの空のもと、レッドカーペットに乗った主役のお二人をゆっくりと撮らせていただき、秋を満喫できました。

 虫にしても鳥にしても、見つけたところから飛ばれてしまうと状況が好転することは少ないのですが、今回はお邪魔虫君に感謝感謝!ご購読はコチラ.pdf

8月   カブトムシ 

4面・素敵な出会い・写真.jpg 甘酸っぱい香りが漂う樹液酒場に行くと、そこはカブトムシで大賑わいでした。三頭のメスと六頭のオス。このアンバランスな数の結果、オス同士のメスをめぐる熾烈な争いが勃発!酒場でのんびり一杯、なんてやってるヒマはございません。

 大きなオスがメスを背後からがっちりガードしているところに、他のオスが次々と戦いを挑んできます。その度に大きなオスが挑戦者たちを自慢のツノで威嚇して追い払います。遠くまで追いやって帰ってくると、ちゃっかり他のオスがメスに言い寄ってたりするから油断なりません。そんな不届き者に大きなオスは激怒!ついに決戦の火ぶたが切って落とされたのであります。

 ツノとツノを突き合わせて激しい攻防が続きます。ついに大きなオスが相手のおなかの下にツノを差し込み一気に投げ飛ばしました。見事な一本背負い!勝負ありと思ったら、挑戦者が再び挑んでいき再び投げ飛ばされ…以下同文。子孫がかかっているので、どちらもそう簡単に諦めるわけにはいかないようです。でも、たまに投げ飛ばした方が勢い余って自分もひっくり返ったりなんてアクシデントも。ぷぷっ。あ、のんきに見物なんてしてすみません。ご購読はコチラ.pdf

7月   ササグモ

4面・ステキな出会い・写真.jpg クモといえば網状の巣が思い浮かびます。しかし実は、網を張らないクモの方が多いのです。

 今回ご紹介するササグモもそんなクモの一つ。黄緑色の体を生かして草の葉の裏などでじっと獲物を待ち伏せします。ハッチョウトンボが捕まっているところをよく目にします。

 ある時、2匹のササグモが同じ草にとまっていました。これまでこんなに接近しているところは見たことがなかったので、これは何かあるぞ…と観察していると、小さい方(オス)が大きい方(メス)に少しずつ近付いていきます。どうやらプロポーズ中のご様子。しかしメスは気が乗らないらしく、オスを追い帰し、挙句の果てに一本の糸を伝って隣の草に逃げてしまいました。網を張らなくても移動用には糸を張るようです。残されたオス(右)はそれでも諦めません。メス(左)につながっている糸を脚で弾いて愛のメッセージを送っています。ツートントンってなんだかモールス信号みたい。

 残念ながら愛は受理されず、2匹の距離が縮まることはありませんでした。メスの機嫌を損ねると食べられちゃうこともあるので、フラれても命が助かって良かったと思わないとね。ご購読はコチラ.pdf

6月 ヤマカガシ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 今回ご紹介するのは、とっても衝撃的な出会いです。夢に出てきたらごめんなさい。

 ある日の夕方、ガサガサガサと落ち葉の上を引きずるような音が聞こえてきました。そこで見たのは、ぎょえーと叫びたくなるような強烈な現場でした。なんと毒ヘビであるヤマカガシが、大きなヒキガエルを丸のみしようとしていたのです。

 このチャンスを逃がしてなるものか!と口を思いっきり開けてカエルにかぶりつくヤマカガシ。あごが外れてそうですね。これを見た私のあごも外れるかと思いました。しばらく格闘していましたが、カエルの必死の抵抗もむなしく、ごちそうさまと相成ったのでありました。人間目線では残忍な場面かもしれませんが、自然界では当たり前に起こっている出来事です。

 ヤマカガシには牙と首の皮膚とにそれぞれ違った毒があります。皮膚の毒はヒキガエルを食べてその毒を自分の体内に貯め込むことで得られます。ヒキガエルがいない地域のヤマカガシには、この毒がないんだとか。食べ物を余すところなく利用し我が身を守る手段を得る…なんて無駄のないすばらしい技なんでしょう。「もったいない精神」の鏡ですね。ご購読はコチラ.pdf

5月 シュレーゲルアオガエル

4面・ステキな出会い・写真.jpg  「ケレレ…コロロ…」と、新緑が輝く水辺から軽やかな合唱が響いてきます。声の主はシュレーゲルアオガエル。名前を聞くと外国のカエルっぽいですが、れっきとした日本のカエルです。

 耳を澄ませながら近づいて行くと、さすがに警戒してピタッと鳴き止みます。ここだ!という場所でじっとしているとまた鳴き始めるのですが、どうやら声は地面の中から…。穴にこもって鳴いているようで、姿を見つけるのは至難の業です。カラオケの個室って感じでしょうか。

 しかし不思議なことに、夜になると一転して地上に出て鳴くようになります。水際にちょこんと座って、あの「ケレレ…コロロ…」を目の前で聞かせてくれるのです。のどを風船のように思いっきりプクッと膨らませるところがかわいいなぁ。

 鳴いているのはみんなオス。声で張り合うだけでは甘いと思ったのか、ライバルの上にドカンと乗り、降り際に蹴飛ばしていくという激しい場面に出くわしたことも。ただ、蹴られても気にしている様子がなかったところが逆に笑えちゃいました。踏まれても蹴られてもめげない強い精神が必要なのは、どこの世界も一緒ですね。ご購読はコチラ.pdf

4月 キランソウ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 地面に這いつくばるように葉っぱをひろげ、その脇に紫色の花を咲かせるキランソウ。春が来た!と感じる花の一つです。

 明るい道の脇や土手の斜面などで見ることが多いですが、なにせ地面にペタッと張り付いている上に花も小さいので、気にしていないとスルーしてしまいます。

 しかしある時、見逃そうにも見逃せないほどの大きさのキランソウに出会ってしまいました。一枚一枚は小さい葉っぱが、これでもかというくらい何重にもなって、全体としてはなんと手のひらサイズ!実際に手を並べてみると、指を全開にした状態と同じくらいの大きさがありました。こんな大きくなれるんだねって、失礼な話ですが。

 キランソウを撮影するには這いつくばる勢いが必要です。もちろん場所を考えないと、行き倒れていると勘違いされますので気を付けないといけませんよ。

 キランソウは薬草になり「死んで地獄に行かずにすむ」というところから、「ジゴクノカマノフタ」という別名がついたとか。地面に蓋をするようにひろがるところからこの名ついたという説もあるようですが、いずれにせよ、もうちょっとマシな名前はなかったんかい…?ご購読はコチラ.pdf

3月 コツバメ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 晴れてポカポカとした陽気の日は、外に出ないともったいない!ということで、お昼に散歩をしていると、足元から小さな光るものがチラチラと飛び立ちました。どこに行くかと見ていたら、少し先の地面に降り立ったので、そーっと近づいて行くと…あれ?とまったはず、という場所には落ち葉しか落ちていません。「いやいや、そんなはずはないぞ」と目を凝らして見てみると、いた!落ち葉そっくりの色の小さなチョウが!春一番に出てくるコツバメです。

 次に飛んでとまった先は、ツツジの花の上。ここにとまると目立ってわかりやすい!どうやらこの見晴らしが良い場所が気に入った様子です。メスがツツジのつぼみに産卵に来るのを待っているのかしら。

 こんな地味な色をしているのに飛ぶと光って見えるのは、実は青く輝くハネの表が、閉じてとまっていると見えないから。コツバメは絶対にハネを開いてとまってくれないので、その美しさをゆっくりと目にすることはできません。

 コツバメが見られるのは早春の短い間のみ。飛んだ時にだけ見える、秘められた美しさを探しながら、この時期ならではのお散歩を楽しんでみてはいかがですか?ご購読はコチラ.pdf

2月 カワセミ

4面・ステキな出会い・写真.jpg とある公園で池の横を歩いていた時のこと。池に張り出したサクラの木に違和感があったので、立ち止まって見てみました。この時期はまだ枝には何も付いていないはず。あの塊は何だろう…と思った物は、なんとカワセミでした。

 カワセミと言えば、バードウォッチャーでなくてもファンが多い鳥。全身輝く青色で、小さいけれども、存在感はピカイチです。

 うれしい気持ちを抑えつつ、植木の陰に隠れながら徐々に接近。ラッキーなことに、こちらに気付いてないのか、それとも単に気にしてないのか、のんびりと羽繕いを始めてくれました。翼、背中、尾羽も念入りに。水の中に全身突っ込んで小魚などを獲るので、びしょ濡れにならないよう羽に油を塗っておかなければいけませんからね。

 何度見てもうれしいものですが、一番最初にカワセミを見たときのことは、忘れることができません。十年ほど前の冷え込みが厳しかったある日、ちょこんとたたずむカワセミを、しゃがみ込んでずっと見ていた記憶があります。そしてその翌日にお腹を壊したというオマケの記憶付き。寒い日の観察は、体調を崩さないようホドホドにしましょうね。ご購読はコチラ.pdf

1月 ヨシガモ

4面・ステキな出会い・写真.jpg 酉年の今年は美しいヨシガモからスタートです。

 角度によって赤や緑に輝く頭、流れるように垂れた腰の飾り羽。この美しさに加え、見られる場所が少ないこのカモに会えるとラッキーです! 川にいるところを見つけ、川岸の木に隠れながら見ることができたので、思ったよりも近くまで来てくれました。

 このときはオオバンの群れに混ざって行動していました。オオバンはくちばしが真っ白の鳥。このオオバンとヨシガモが一緒にいる理由…しばらく見ていたらわかりました。ヨシガモにとってメリットがあったのです。

 オオバンは水の中に潜るのが得意で、水草を引き上げて食べることができます。ヨシガモは潜ることができませんが、水草は食べたい!そこでヨシガモがとった作戦とは、オオバンが潜ったところで待っていて引き上げられた水草をお相伴に預かること!「種を超えた美しき友情」に見えますが、オオバンが明らかに迷惑そうにしていたところを見ると、どうも想像するような美しいものではなさそうです。

 ただし、そんなことをされてもオオバンは怒って追い払うようなことはしませんでした。人の考えなぞ及ばない深い関係があるようですね。ご購読はコチラ.pdf

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