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野生交配1代目F1の威力は?
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(平成22年3月5日号掲載)
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| 海や川に水産資源の優良種苗(しゅびょう)を供給し続けている愛知県栽培漁業センター(渥美半島)が、今年度初めて民間漁業団体の協力を得て、F1タイプの「矢作川産優良アユ」の大量生産に着手した。 同センターは昨秋、矢作川産の野生アユ=天然遡上(そじょう)=を親魚として、交配、採卵、孵化(ふか)をおこない、約70万尾の仔魚(しぎょ)体長5ミリ前後を育てた。 その仔魚はすでに民間漁業団体の養殖池に移され、河川放流サイズの稚魚(ちぎょ)体長5〜15センチに育成されている。 F1とは、野生の親の交配で産まれた子供世代(Filial Generation)の一代目のこと。F1同士の交配の子はF2と言い、F2同士の交配の子はF3である。F4,F5、F6と進むにつれて、野生の血が薄れて家畜化が進み、病気にも弱くなる。養殖池での交配を重ね、野生同士の交配から時間経過が遠ざかったアユのことを「継代アユ」という。 継代アユは家畜化が進み、養殖業界の無菌状態の池では飼いやすくなるが、自然河川に放流されると極端に病弱になる。河川放流の主流になってきた「継代アユ」は次第に河川ではきらわれものになってきた。 その点、今回の矢作川産F1アユは、アユの素性・来歴が良くわかっている上に、「野生の血」を色濃く保持していて、強健と予想される。アユの宿病である冷水病にも強いと見られる。 河川放流後は、豊田市矢作川研究所・矢作川天然アユ調査会が、成育状況や釣況を定期調査する。 なお、今回のF1アユの親になった野生アユは、河口から12km地点の矢作川下流4漁協経営の「特別採捕場」(県認可)で昨年3月捕獲した。その後4〜8月は、矢作川漁協と愛知県鮎養殖漁協で産卵親魚用に大きく育てた。 昨秋、愛知県栽培漁業センターが交配・採卵・孵化し、仔魚を生産した。その後の今年2月に、仔魚は愛知県鮎養殖漁協(愛知県豊川市)と天竜養魚場(長野県飯田市)に移され、今年4〜5月の河川放流を目標に稚魚に育成中だ。野生に近いアユの人工飼育の実験事例として注目され る。 【新見幾男】 |
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