神越川の渓流鱒釣り雑記
(平成19年11月2日号掲載)
 東海屈指の渓流鱒釣場・神越(かみこし)センターは開設40年の歴史を刻む。
 グリーンファームの栗の植栽が一段落した頃の開設の日に、小生はメグロのポンコツ単車360ccで渓谷入りした。たまたま猪の腹、松茸、つぐみ、あまごの相伴にあずかり、旬の山の幸に酔いしれた。
 「俺も流行のトヨタに行っておれば…」とボヤく小木曽 舎(おぎそ やどる)君は、神越センター創業5人衆の1人。あまごのテンカラ釣りの名手だ。ヒラタやぶどう虫の餌のいらない疑似餌のテンカラをここぞという瀬をねらってとばす様子は渓流釣りの醍醐味だ。
 小生も小川のムツバヨ釣りを得意とするも、舎(やどる)さの手ほどきのあまご釣りに同行、病みつきとなり南アルプスの聖岳(ひじりだけ)の沢入りもした。渓流三昧を経験するも彼ほどの達人には逢わない。
 神越川に川さつきが咲き、渓流魚がほどよい魚体になったころ、彼と10年来釣行する。本年は近場のうなぎ沢に入り、浮石に乗って脛を打ち、ビクもちになった。
 この沢で故農改普及員の築山氏と味をしめたことがあったが、今は雑木がかぶさり陽光に乏しく提灯釣(ちょうちんづ)りだ。それでも形のよい30匹余を持ち帰り、段戸の西川で炭焼き塾を開く斉藤君の庵で、あまごの宴に堪能できた。
 いま神越センターは社長職は若手の宮條君に変わり、舎さの長男が群有林職員を辞し、ゆるぎない持続可能な山都交流基地となっている。
 想うに適地敵産の村おこしは一朝一夕にはできない。近隣の御内(みうち)小学校の灯こそ消えたが、いま、ここ、これ、の三つをふまえ、神越があせらずゆっくり、次のステップへ進むを念じたい。
(足助観光協会会長)
過去の 随想録 TOPへ